田中 洋平の南関テクニカル6ハイブリッド・ソフト購入者が言う実際の評判

田中 洋平の
南関テクニカル6ハイブリッド・ソフトに
ずいぶん前から興味ありました。

でも、安い買い物でもないし
ネットの商品だから・・・

出典元:お笑いナタリー

ウエストランド井口と構成作家・飯塚大悟が毎月のお笑い界の出来事を勝手に振り返る連載「今月のお笑い」。6月の書籍発売に伴う休載を挟み、今回は6月&7月の2カ月分のお笑いを振り返る。「ツギクル芸人」「UNDER5」「ABCお笑いグランプリ」「ダブルインパクト」と、怒涛のように開催された賞レース決勝の結果について感想を述べあったほか、人情が薄れてきている現代日本への憂いを吐露。若手芸人必見の「井口塾」も再び開講しかけている。

【写真】鼎談するウエストランド井口、爆笑問題・太田、飯塚大悟

構成 / 狩野有理
ヘッダーイラスト / 清野とおる

※取材は8月2日に実施。

■ 人生初の「本の出版」どうだった?
──「書籍!!今月のお笑い」が発売されてから初めての「今月のお笑い」通常回です。

井口 本屋さんに行ったら一応ありそうな棚を見るようにはしていますけど、意外と置いてくれてますね。

──けっこう目立ちますよね。清野とおるさんのイラストと井口さんの“セルフ帯”が。

井口 いろんな人に配りましたよ。けっこう勇気を出して。

飯塚 なんで勇気を出すの?(笑)

井口 いやいや、勇気いるじゃないですか。有吉(弘行)さんとか、「なんだこれ!?」って言われそうだし。たまたま有田(哲平)さんや上田(晋也)さんにも会ったのでお渡しできました。

──ありがとうございます! ただ、あまりXで「本もらいました!」みたいな芸人さんのポストを見かけない気が……。

飯塚 それは仕方ないですよ。「この本(今月のお笑い)読んでます」って、なんかカッコよくないじゃないですか(笑)。(令和ロマンくるまの著書)「漫才過剰考察」はみんな上げたいし、僕も「読んでます」って言いたいですもん。

──飯塚さんもけっこういろんな人に渡していましたよね。

飯塚 思いつく限りのあらゆる裏方に配りました。DMしかしたことないような、1回もしゃべったことない人にも配ってます(笑)。三宅香帆さんもそうですけど。

井口 YouTubeで紹介してくれてましたもんね。

飯塚 すごいよね。今、三宅さんに本を紹介して欲しい人、たくさんいると思うよ。

井口 ありがたいですよ。ちゃんとした本の中にこれも混ぜてくれて。あと鬼のような取材にも応えたので、いろんな記事が一気に出ましたね。

飯塚 僕は先輩の作家さんから「爆笑問題・太田さんとの鼎談がすごく面白かった」と言ってもらいました。「よく太田さんにあんなにいろいろ聞けたね」とも。

井口 「チャンスの時間」(ABEMA)の斉藤(崇)さんも言ってましたよ。「飯塚くんは変わらないスタンスで聞いてるな」って。

──恐れ多い存在なんですね。

飯塚 そうですね。太田さんがシンプルにすごく優しいから、こんな謎の作家がいろいろ聞いてきてもちゃんと答えてくれただけで。

井口 でも本当に太田さんパートだけでも買って読んでほしいです。僕らが毎月やっている目先のことじゃなく、10年、20年先のお笑いの話をしているので、太田さんが話していたように今後なっていくのかどうかっていう部分も楽しめると思いますから。

──「井口のありがたいお言葉スタンプ」という連載発のLINEスタンプも出しました。私は「水を飲め!」を親に連投しています。

井口 今暑すぎるので、「水を飲め!」がちょうどいいですからね。

飯塚 「水を飲め!」って言いたいときにちょうどいいスタンプないかなって、みんな思ってたもんね(笑)。

井口 最近のLINEスタンプって何種類か合わせて使えたりもするじゃないですか。ほかのスタンプに「水を飲め!」をつけて、各々好きなキャラクターに言わせるっていうのもできますからぜひ使ってほしいです。

■ 井口ファンは移り変わり果てた人たち
飯塚 あと僕としては、本の宣伝と称してやったことないことを経験させてもらったのが楽しかったです。LiLiCoさんのラジオ(J-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」)の生放送に出させてもらったり、BSの30分番組のゲストとして、普通に1人で呼んでもらったり。XXCLUBの大島くんのYouTubeにも井口くんと出たし、いろんな経験ができましたね。

──飯塚さんはサイン会も人生初でしたもんね。

飯塚 初めてでした。サイン会も面白かったです。

──長丁場になってしまいましたが、疲れました?

飯塚 いや、楽しかったです。まだまだ全然できます。

井口 僕も最近はファンの人と接する場面が減ってきている中、いい機会になりました。けっこう「お母さんが応援してます」という人が多かったので、世の中のお母さんたちに応援してもらっていることもわかりました(笑)。

飯塚 僕らより年上の女性が多かったね。

井口 こういう場に来るのは女性が多いっていうのもあるんでしょうけど。でも実際、街でも声をかけてくれるのはそういう人たちなので、テレビを観ているのがその世代っていうのをまざまざと痛感しましたね。「若い人ががんばってる」っていう感じで見てくれているのか。

飯塚 あと、「ウエストランドが一番好き」という人が多い気がしました。なんなら、中には「お笑いとかあんまり詳しくないけどウエストランドが好きだから本読んでみます」みたいな人もいて。

──ざっくり“お笑いファン”というより、ウエストランドをピンポイントで好きな方が多い。

井口 まあ、お笑いファンって僕らのことあんまり好きじゃないですからね。お笑い好きの人ってママタルトとかランジャタイのライブには行くけど、ウエストランドに興味ないんですよ。

──でも以前までのウエストランドはライブシーンの中心にいましたよね。

井口 いや、あの頃も別に誰も僕らを観に来ている人っていませんでしたから。ただ僕らがライブにたくさん出ているってだけで、「出てるから観る」くらいの感じだったと思います。「ぶちラジ」のイベントに来る人はお笑いライブには来ませんし。だからサイン会も「お笑いライブには行ったことないです」という人が多く来ていたんだと思います。

飯塚 そんな感じはしたね。ちょっと独特な客層というか。でもそういう意味では、井口くんって流行り廃りじゃないところにいる気がする。ママタルトとかランジャタイのファンは移り変わっていくこともあると思うんだけど。

井口 僕のところには移り変わり果てた人が来てるんで(笑)。

飯塚 「ウエストランドのこと好き」っていう人は、けっこう好きだと思う。この先10年くらいは定着してそう。

■ 感謝!人情!大事!
──では6月、7月のお笑いを振り返りましょう。

飯塚 バッテリィズのエースさんと令和ロマンのケムリさんの結婚の話題は6月でしたよね。取材記事でもサイン会のときも井口くんが怒っていたけど(笑)。

井口 エースなんて「M-1アナザーストーリー」で実家に住んでる感じ出しておいて、めっちゃ嘘だったわけじゃないですか。面白いから好きっていうのは大前提として、独身だと思って応援していたファンの人もいるんですから。とはいえ、なぜかみんな祝福ムードなんですよね。僕だけが怒ってます、「嘘ついてたんだから謝れよ!」って。本人にも会ったので一応叱っときましたけど、ピンとは来てなかったです(笑)。

──それに関連して、書籍の取材のときに井口さんが話していた“組体操”の話をここでも紹介させてください。「日本は今、史上最悪な時代に突入している」と言っていましたよね。

井口 最近特に思うんです、情とか思いやりみたいなものが薄れてきているって。テレビに出させてもらうとMCやいろんな共演者、スタッフがいて番組ができていることがわかるんですけど、例えばYouTubeをメインに活動している人ってあまりそういう意識がないと思うんですよ。もっと言うと、先人たちがいたから日々お客さんで賑わう劇場があるのに、それになんの感謝もせずに出ているよしもとの若手もいる。それに腹が立ってます。タイタンにいたら爆笑問題に感謝せざるを得ないし、「この建物もそうか、爆笑問題がいたから……」って直に感じるわけですよ。

──自分と、自分の周りにいる少数の人の存在しか意識できていない。

井口 何が腹立つかと考えたら、それでした。「感謝が足りない」。オリエンタルラジオさんがいたから渋谷に劇場ができて(※)……とか、そういう歴史をスルーして、当たり前のようになっちゃってる。

※編集部注:ヨシモト∞ホールはオリエンタルラジオの公開番組を生放送する拠点としてオープン。

飯塚 例えば爆笑問題さんが「もうこの仕事やめたいな」と仮に思った場合に、社員や後輩たちの生活を考えたら自分の意思だけでは簡単には決められない部分もあると思う。でも、よしもとだったら組織が大きいから、自分がやるかやらないか、だけで決められる。グレープカンパニーのサンドウィッチマンもそうだと思うけど、小さい事務所であるほど、いろんな人のことを考えないといけないんだと思いますね。

井口 特に今、そういうのがどんどん希薄になってきている感じがしていて。ライブやテレビはいろんな人が関わって成り立っているけど、YouTubeって編集してくれる後輩とか、仲間内だけでやれちゃうから。そこの違和感が(自分には)すごくあるんだなって思いました。そういうのを「若い感覚だ」とか言って世の中も受け入れようという姿勢になってきていましたけど、それってもう「若い」とかじゃなくてただ嫌な奴なんですよ。で、これは極論ですけど、だったら昔みたいに太陽を浴びて組体操とかしたほうがいいんだ!っていう(笑)。それこそ太田さんも言っていましたよね、いろいろ一周して戻ってくるって。社会全体としてそうなってくるんじゃないかと思います。

飯塚 一昔前まではインターネットでバズっているものと、それの実際の評価ってちょっと違ったと思うんだよ。ネットではバズってるけど世の中の知名度は全然ない、みたいな。それがだんだん、社会全体としてネットのバズりに誘導されるようになっているのはちょっと怖さを感じる。「バズってる=評価されている」に引っ張られる傾向が強くなっていくと、見えないもの、それこそ人情とかが……って、またこんな話してるけど(笑)。

井口 いや、それだけ危機感が強まってるってことですよ。僕らが人情の話をしてしまうくらいに。パワハラとかはもちろんダメですし、飲みに誘われて無理して行く必要はないですけど、「業務外なんで」って言うのと、「すいません、ちょっとほかにやりたいことがあって」って言うのではまるで違うじゃないですか。「こういうもんっしょ」みたいなのはよくないなと思いますね。あと、「テレビは嘘でネットは本当」という決めつけも怖いじゃないですか。それはどっちもわからないから、疑って、自分で考えなきゃいけないのに。

飯塚 自分で考えないのって楽だから、そっちに流れちゃうんだよね。

井口 それが心配ですね。もっと考えろ!

飯塚 ……これが「今月のお笑い」です(笑)。

──現代日本への憂い。

飯塚 お笑いでさえネットでバズった者勝ちみたいなになっているから、ほかの業界も大変だと思います。絵を描いている人とか。拡散されていればいい絵なのか?っていう。

井口 難しいですよね。

飯塚 でもなんかこの連載、だんだん苦言が多くなってきてるなと思って反省しているんですよ。ジジイの苦言が(笑)。

井口 確かに。飯塚さんバランス取って褒めるラジオ(放送作家・大井洋一と共演するポッドキャスト「褒めたいラジオ」配信中!)始めてましたよね。

飯塚 そう(笑)。僕はそっちで褒めていきます。

井口 まあ僕はでも、なかなか褒める人間じゃないのでね。

──じゃあこの連載で井口さんが褒めていることは真の褒めなわけですね。

■ 「ツギクル芸人グランプリ」と爆笑問題
飯塚 で、ようやく今月の“お笑い”の話をすると、6月、7月は賞レースがたくさんあった。

井口 毎週のように賞レースの決勝があって、本当にすごいことになってきましたね。「ツギクル芸人グランプリ」は飯塚さん何かやってたんでしたっけ?

飯塚 予選の審査員をやらせてもらった。

井口 優勝は、豆鉄砲か。

飯塚 豆鉄砲のことはこの連載でもよく名前を出していたので、優勝してよかった。さすらいラビーが優勝しそうだったから、危なかったです(笑)。

井口 さすらいラビーのミス(※)のおかげですね(笑)。さすらいラビーに関しては直接説教もしましたけど。

※編集部注:さすらいラビーは1stラウンドで漫才を披露し、10票中8票を獲得してファイナルステージへ。漫才への期待が高まっていた中、コントを披露して優勝を逃した。ファイナルステージの結果は豆鉄砲4票、スタミナパン3票、さすらいラビー3票。

飯塚 (決勝MCを務めた爆笑問題の)太田さんからも「大失敗だった」って言われたっていう(笑)。

井口 ざまあみろと思いました。タイタン2代に渡って怒られて(笑)。誰が見ても2本目は「何やってんだよ」という結果でしたからね。つまり1本目の漫才がめちゃくちゃよかったってことですけど。

飯塚 おそらくライブシーンでウケた感覚を持って決勝に臨んだんだと思うけど、お客さん票はさすらいラビーに入っていたからそのイメージ自体は合っていたんだろうね。ただ実際の審査員はテレビおじさんとプロの芸人(各テレビ局のバラエティ担当クリエイターと、渡辺正行、ますだおかだ増田、チョコレートプラネット長田ら)だから、そこで差が出てしまった。まあ1票差だったけど。

井口 いやいや、あれは漫才の貯金で3票入っただけです。長田さんが入れてくれて、コントの人が褒めてくれたと思ったら「最初の漫才がよくて」と言ってましたから。

飯塚 個人的には、前も言ったけど金澤TKCファクトリーと、ヒガ2000が面白かった。ヒガ2000って実はけっこうベテランなんだよね。もうちょっと知られていたらウケ方も違った気がする。安っぽいシティポップみたいな曲の作り込みがすごくいいんだけど、観ている人がそこも面白がってくれたらもうちょっとウケたんじゃないかな。慶応のお笑いサークル出身で、令和ロマンや真空ジェシカの先輩でもあるんだよね。

井口 ストレッチーズの貫太が言ってました。教えにきてくれてたとかで、お世話になったと。学生お笑いで尊敬されている人みたいな感じだったみたいですね。

──「ツギクル芸人グランプリ」も「明日から使いたい!」という新たな芸人を発掘するというコンセプトではあるものの、知名度が関わってきてしまうんでしょうか。

飯塚 芸風やキャラクターを知られているほうがウケる人と初見のほうが強い人がいると思うんですよ。ヒガ2000に関して言うと、ある程度「この人って面白い人なんだ」とわかっていたほうがもっとウケる芸風なのかなと思いました。「ツギクル」のいいところは、終わったあとに「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で話題にしてくれるじゃないですか。しかも、気になった人のことだけちょっとしゃべるとかじゃなくて、必ず全員触れてくれる。その優しさがすごいですよね。それだけでもこの大会に挑む価値があると思います。

■ 井口も芸名を付けたい
──飯塚さんはLiLiCoさんのラジオでも豆鉄砲を注目芸人として紹介していましたよね。

飯塚 そのときに、衣装じゃない私服の豆鉄砲を見たんですけど、普通の大学生みたいでよかったです。今の芸人さんっておしゃれな人もいるけど、豆鉄砲はすごく親しみやすい感じで(笑)。不器用そうだし、“面白い”だけでやってる感じが好感持てました。がんばってほしいです。

井口 金もまだそんなに持ってないでしょうしね。この間ちょうど番組の収録で会いましたよ。その前日に(マセキ芸能社主催のイベント)「真夏の笑フェス」で会ったら、ツッコミのホセのほうが「やってやりますよ、明日」って変に意気込んでいて。「そういうのじゃないから」と言ったんですけど、「いや、マジでやってやります」みたいな。でも結局収録では全然ダメで、昨日の威勢はなんだったんだ?と思ったら、緊張しすぎて、できものできて、めっちゃ体調崩してました(笑)。

飯塚 「ホセ」っていい名前だよね。「ホセってなんなの?」って言いたくなる。「(エルフ)はる」とかも。

井口 今みんな芸名付けてますよね。羨ましいです。僕らの時代はそういうのなかったので。

飯塚 ちょっと前までは芸名付けるのって恥ずかしい感じがあった。

井口 「くるま」とか「ケムリ」っていいですもんね。とうとう「タイヤ」とかもいて。パーツもいるんだ、と思って(笑)。「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)に寄せられる芸人アンケートとか見てても、みんな芸名。生きやすいでしょうしね。病院とかで本名呼ばれてもバレないし。

飯塚 「くるま」とかに憧れて付けるんだろうね。「粗品」とか。

井口 僕らは「松本人志」「浜田雅功」「内村光良」「南原清隆」とかを見てきたからフルネームが普通だと思っていましたけど。

飯塚 元祖って誰なんだろう? 個人名の芸名。

井口 誰でしょうね?

飯塚 実は「(マヂカルラブリー)村上」も芸名っていう(笑)。「野田クリスタル」はピンのときの名前だからちょっとまた別だけど。「村上」は異常だと思う。

井口 本名「鈴木」ですからね(笑)。

──千鳥の「ノブ」「大悟」とかでしょうか。

飯塚 ああー確かに。覚えやすいですよね、単純に。「井口浩之」は覚えにくい。漢字だと子供は読めないから、「あばれる君」とか「フワちゃん」はやっぱりいいんですよ。これからどんどんみんなカタカナひらがなになっていくんじゃないですか?

──井口さんはじゃあ、「ひろゆき」?

井口 「ひろゆき」さんはもういますから。

飯塚 ヒロユキMc-Ⅱもいる。

井口 「ひろゆき」って多いんですよ。正直、「ひろゆき」はなくしてもいいんですけどね。

──では、「井口」。

井口 「ウエストランド井口」だと思われてることもけっこうあります。「カンニング竹山」みたいな。

飯塚 でも霜降り明星せいやさんですら「粗品」っていうコンビだと思われてるって言ってた。「粗品のせいやがいた」とか。

井口 三四郎も、「小宮三四郎」だと思っている人がいますから。

飯塚 そういえば、「耳の穴」の若手のアンケートで「匿名希望」っていう若手もいた。ちょっとでも名前売れよっていう(笑)。

井口 なんで(テレビで読まれる)チャンスに匿名希望するんだよ(笑)。

■ 「UNDER5 AWARD」でアマチュアが優勝
井口 「UNDER5」は誰が優勝したんでしたっけ?

飯塚 あなたとネっていう現役の大学生がプロを全員倒して優勝した。ときどき大学お笑いの大会に審査員として呼んでもらうこともあるんだけど、傾向として、過激なことを言うのが大学生のお客さんの中でウケるし、「大学生の中でウケるネタ」というものができあがってきている中で、あなたとネはそれを自覚してプロのライブにも出て調整して、ちゃんと“プロのネタ”っていう感じがしてよかった。

井口 2400組も出てるんですね。すごいなあ。学生がめっちゃ出ているんですか?

飯塚 たぶん意識が高い大学生が出てると思う。誰でも出てるっていう感じはない。

井口 あなたとネはまだアマチュアなんですね。

飯塚 でも「プロになる」って言ってた。

井口 じゃあ、よしもと行くか。

飯塚 今はよしもとに入ったほうがいいってなっちゃってるからね。

井口 なんなら、よしもと以外に入ってる奴がもうその段階でつまんない可能性が高いですからね(笑)。

飯塚 すごい自信がある人はよしもとがいいよね。「同世代で一番面白い」と思ってるんだったら、よしもとに行ったほうが仕事はあるから。

井口 早々に食えますもんね。

飯塚 あと兄弟が決勝のファイナルラウンドまで進んだ。

──兄弟は昨年の「今月のお笑いネタライブ!!」に出てくれました。

飯塚 兄弟も独特の発想があって面白いし、これからさらに伸びそう。あと、例えば炎がやっぱり好きな感じでした。ふざけてるのにネタとしても成立してちゃんと面白いっていう、あまりいないタイプ。例えば炎の話もこの連載で何回かしてますよね?

──飯塚さんはけっこう前から言っていました(参考記事:2022年10月のお笑い)。

飯塚 ダサいけど、早くから名前を出していたことをちゃんと言っておかないと(笑)。あとサンミュージックの無尽蔵も大学お笑い。2人とも東大出身。ネタの設定がいつも面白くて、自分たちの型がちゃんとできてる感じがする。

井口 すごいなあ。これ、タイタンも直面している問題なんですけど、今って大学お笑いを経てとか、いろいろ転々としたあとの人が養成所に入ってくるじゃないですか。だから養成所のバトルライブでは当然、経験の差でそういう奴らが勝つけど、そこがそいつらの天井かもしれないわけですよね。で、本当に面白い奴はバトルで負けて、発掘されずにやめていってる可能性があるなと思って。

飯塚 同じスタートラインに立たされて、「こんな奴らがいるんだったらもういいや」ってやめちゃってる可能性はあるね。本当は未経験の人だってのちのちすごく化けるかもしれないのに、最初の1年の差で諦めちゃうかもしれない。

井口 結局、最初にすごかった奴がまったく伸びないことだってありますし。

飯塚 井口くんがそういう場所を作ったらいいんじゃない? 「井口塾」。大学お笑い禁止。本当の未経験の人のみ。一番レベルが低い養成所。

井口 ただ単につまんない奴が集まるだけですよ(笑)。でも、昔はほとんどそうだったわけですからね。

飯塚 松竹芸能にいた骨付きバナナっていう、「M-1」とか「キングオブコント」で準々決勝とか行ってた芸人さんも、解散したのちNSCに入っていて(※)。

井口 それを言ったらワタナベにいたデカい奴、ドンココもNSC行ってますもんね。ワタナベの頃に「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ)とかも出ていたのに、そこから今またNSC生として「向上委員会」に出てましたけど。そうなると、無から始めた人が「なんだよ」って思うでしょうし。難しいですよね。

※編集部注:うえしはNSC東京校に31期生として入所。こうだいは高校の同級生でよしもと所属の川合裕也と「しっとり最高裁」を結成している。ちなみにドンココは2024年4月よりワタナベエンターテインメント→フリーに。同年NSC東京校に30期生として入所し、2025年4月から吉本興業所属に。

■ 金魚番長の受け身がいい
井口 「ABCお笑いグランプリ」はエバースが勝ったんですね。盤石というか。

飯塚 「今月のお笑いネタライブ!!2」で優勝した家族チャーハンが最終決戦まで行ったけど。

井口 あのライブのあとに発破かけたのに、負けやがりましたね。あとは、とにかくセンチネルがひどかったんですよね?

──センチネルがひどかったっていうのは、井口さんが見て思ったってことですか?

井口 いやいや、早坂営業かなんかのときで、リアルタイムで噂が入ってきて。「センチネルがとにかくヤバいぞ」って。大阪の大会っていう特性もあるから、やり方を考えたほうがいいですよね。

──かが屋も最終決戦まで行きました。

飯塚 かが屋めちゃくちゃよかったですね。よく言っていますけど、かが屋だけ本当に違うジャンルの面白さで戦っている気がします。笑い声の大きさとか爆発力じゃない、「いいもの見たな」っていう気持ちで票が入るような。戦い方がほかとは違ってカッコいいです。

──「最も爪痕を残した芸人“ABEMA賞”」を獲得したのは金魚番長でした。昨年の「ワンピース歌舞伎」に続き、エンディングにゆってぃさんの格好をして出てくるというボケで注目されました。

飯塚 「ワンピース歌舞伎」は敗退コメントで言っていたことを急いでやったという流れがあったからまだわかるけど、ゆってぃさんの格好は特に脈絡がなくて(笑)。去年の令和ロマン同様、まだ優勝が知名度のあるエバースだったからいいものの、もし家族チャーハンが優勝していても入ってこれたのかなとは思う。まだあまりテレビに出ていない人の晴れ舞台を邪魔したらかわいそうじゃないですか。

井口 だから、(「R-1グランプリ2024」の)街裏ぴんくさんの優勝ときのサツマカワRPG(の結婚発表)と同じですよね。

飯塚 それとはまた違うんじゃない? 井口くんそれずっと言ってるけど(笑)。

井口 でもあんな直後に結婚発表するなんて、どうかしてますから。

飯塚 以前この連載で「逆ニッチェ」の話もしたけど、ゆってぃさんの格好をして出てくること自体がボケになっているっていうのは、もし自分がゆってぃさんだったらけっこう悲しい。若手から昔の人みたいな扱いをされて、「今ゆってぃの格好してるのが面白い」と思われちゃってるってことだから。「がんばらなきゃな」って思うと思う。

井口 金魚番長にはこの前「アメトーーク!」のイベントで会ったので、ボロクソに言ってやったんですよ。終わってからも楽屋で「お前らはよしもとの量産型漫才師だ」「どうせ順番にM-1決勝行けるんだろうけど、なんともならない」「ブサイクなくせに」って。

──すごくボロクソ言ってますね!? しかも楽屋で。

井口 でもその受け身がめちゃくちゃ面白かったから、金魚番長すごいなって思いました。ボロクソ言っても変な空気にならない。今の若手ってそういうこと言うと、本当にシュンとするかブチギレるかなのに、延々30分くらい言い続けても楽しい雰囲気だったんです。

飯塚 イジった人がキツく見えないように返せる。

井口 金魚番長ってそういうのが得意なんだなと思いましたね。だからゆってぃさんとか「ワンピース歌舞伎」とかやめたほうがいい。そんなんじゃないんだから。

飯塚 今、井口くんと永野さんだけだと思うんだよ。若手に苦言を呈す人って。

井口 僕は先輩には言わず後輩だけに言う、逆粗品状態ですから(笑)。

飯塚 だから今、強めにイジってくる先輩っていないから、耐性がない若手が多いんだと思う。

井口 この前、若手がいっぱい出る収録に行ったんですけど、スタッフさんから「言い返したりしてこないと思うので、話を聞いてあげる感じでお願いします」って事前に言われていたんですよ。若手がメインの番組だったので、確かに僕が言いすぎると趣旨が変わっちゃうから、「わかりました」ってあんまり強く言わないようにしていたんですけど、あまりにもだったので後半我慢ならずにめちゃくちゃ言っちゃいましたよ。でもそうすると結局(笑いの中心が)こっちになっちゃうじゃないですか。そのあとに銀シャリの橋本さんに会ったんですけど、同じようなことを嘆いてました。若手のライブのMCで「抑えめにお願いします」と言われていたらしいんですけど、やっぱり途中で我慢ならなくなって橋本無双みたいになったら、怒られたらしくて(笑)。僕はあとで「ありがとね」って言われたからいいんですけど、「納得いかへんわー」って言ってましたね。

飯塚 普通逆だよね。スタッフが若手に「先輩がイジってくると思うから、がんばって返してね」って言わないと。

井口 返せないんですよね。でもあまりにも盛り上がらないから言っちゃいました。こっちも我慢できなくて。そういう意味で、金魚番長はけっこう辛辣なことを言っても2人とも明るい感じでよかったです。だからついついみんないろいろ言いたくなっちゃうし。アンガールズ田中さんですら「お前ら本当にそうだからな?」って乗ってきたりして。

──そういう存在は重宝されそうですね。

井口 あと本当にもう、今の若い奴らってご存知の詰め合わせみたいなことばっかりなんですよ。

飯塚 「ご存知の詰め合わせ」、次のLINEスタンプにしよう(笑)。

井口 例えばキャラが強くて片方だけ注目されている若手のコンビがいたとして、注目されてないほうがフィーチャーされそうになると「俺じゃなくて、まずこいつでしょ!」みたいなこと言ってくるんですよ。いやそいつでもねえわ! そいつもお前も知らねえよ! なんなんだよ、お前の中の「こいつでしょ」みたいな感じ。だから最後はもうブチギレ祭りになっちゃいました(笑)。

──ブチギレ祭り、楽しみです。

飯塚 「客全員一般人ライブ」とかやったほうがいいかもね。客席がお笑いファンとかじゃなくて、全員ランダムに選ばれた日本国民200人、みたいな。そしたら本当の世間の反応がわかるから。

井口 客観視できなくなってきますからね。もう、心配です。一番ベタな話じゃないですか。「劇場の人気にかまけるな」なんて、古来からある教訓。そうなるなと言っているのに、なる奴ら。だから僕らは人気なくてよかったです、本当に。誰も応援してないからこそ「M-1」でも行けたわけじゃないですか。

飯塚 ウエストランドって十数年やって、ようやく浸透して「M-1」優勝したからこそ井口くんが太くんに対して「お前みたいな人間が……」とか言っても伝わっているわけだけど、その過程をすっ飛ばして、先輩たちの平場のムーブを真似してるところもあるんだろうね。

井口 「知らないよ、お前らの関係性は」っていう。本当にもう、初歩の初歩の教科書でも作ろうかな?

──いいですね! 次は教科書出しましょう。

井口 めんどくさいでしょ! なんで僕がこいつらに教えなきゃいけないんだよ。

■ 初開催の賞レース「ダブルインパクト」
──漫才とコントの二刀流No.1を決める「ダブルインパクト」も行われました。初開催の大会でしたが、どうでしたか?

飯塚 みんな漫才の一番いいネタは「M-1」、コントの一番いいネタは「キングオブコント」に持っていくだろうから、そういう意味では過去に「M-1」「キングオブコント」で日の目を見なかったネタを注目度の高いところでできるっていうのはいいなと思いました。

井口 面白いネタが一度にいっぱい見れるのはよかったですよね。

飯塚 そうだね。ネタ番組としてずっと面白かった。

井口 飯塚さんも関わっていたんですよね?

飯塚 お手伝いさせて頂いたレベルだけど。演出の方と「漫才とコントどっちを先にやるかは芸人本人が選べたほうがいいですよね」みたいな話は最初にしました。なぜかと言うと、ネタやって点数付けて、を全組で2周やるとなったときに、2周目で大逆転することってかなり難しくて。「キングオブコント」でもその方式の年がありましたけど、1本目の下位コンビが2本目で大逆転することはなかった。だから「1周目は漫才です」と決まっていると、たぶん漫才だけで上位が絞られる大会になっちゃうと思うんですよね。結果的に今回は1本目にコントを選ぶ人のほうが圧倒的に多かったですけど。

井口 単純に漫才師はムズいですよね。漫才ってすごくニンが出るから、そこからコントに移行しづらいっていうのがあって、漫才をやっているコント師のほうが戦いやすいのかなって思いました。僕はがんばってほしいですけどね、漫才師に。

飯塚 あとやっぱり関西(出身)の人が強いよね。東京で、普段の舞台で漫才もやっているコント師って今回のファイナリストで言うとコットンくらい。コントも漫才も自分のやり方がちゃんと確立されている人ってそんなにいないから。

井口 今回たまたまでしょうけど、繰り返し系のネタが多かったですね。往年のジグザグジギーみたいな。漫才も、コントの人だからかそういうのが多かった気もするので、やっぱり漫才師に引っ掻き回してほしかったです。理想は、「コントの日」「漫才の日」みたいに年4回くらいのサーキット形式にしたらもっと順位が入れ替わって面白いんじゃないかなと思いました。

──漫才が軸だけどコントもできる東京のネクスト芸人で言うと誰になるでしょうか?

井口 やってはいるけどレベルになっちゃうんですかね。

飯塚 それこそ、「ツギクル」で漫才とコントを見せたさすらいラビーじゃないですか?

井口 でもあいつら「ダブルインパクト」も予選で早々に負けてますからね(笑)。じゃあ「ツギクル」はなんだったんだよ! TCクラクションは漫才もコントも両方ちゃんとやってるか。

飯塚 確かに、TCクラクションは準決勝でもめっちゃ面白かった。スタミナパンもそうだけど、きしたかのとか、もともとコントをやっていた人が自分のキャラを出すために漫才に転向することって最近けっこうあるよね。

井口 でもスタミナパンは、審査員にも言われてましたけどもう漫才のほうがよくなってますよね。漫才であのキャラが面白いっていうのが知られちゃうと、コントで演じるキャラのほうが弱く見られちゃうっていう。

──優勝はニッポンの社長が飾りました。

飯塚 ニッポンの社長が初めて大きいタイトルを獲れたのはよかったですよね。

井口 センス系と言っていいのか、ニッポンの社長みたいなタイプ、飯塚さんが好きなタイプの人が勝てるのはいいですよね。マンパワー系の勢いに負けて優勝できないことも往々にしてあるじゃないですか。今回ロングコートダディさんも2位ではありましたけど、勝てそうだったし、それこそかが屋タイプの人も勝てる可能性がある大会なんだなって思いましたね。

飯塚 ロングコートダディって本当にいろんなネタを持っているよね。新しいネタをすぐ賞レースにかけたり、なんだったら賞レースで下ろしてたりもするらしいし。う大さんがこの連載にゲストで来てくれたときに言っていたけど、ネタの量産力が大事な時代になってる気がする。

──ほかに気になったことは?

飯塚 テレビを観ていた印象でしかないですけど、ニッポンの社長は「キングオブコント」の決勝に5年も行っているから一般的にも知られているんだなと思いました。一方で、ななまがりの面白さってお笑いファンは知ってるけど一般の人はたぶんあんまり知らなくて、観客もななまがりを受け入れる態勢になっていなかった気がしました。知られてたらもっとウケ方が違ったんじゃないかなと。

──観覧にもっとお笑いファンを入れたほうがいいんですか?

飯塚 「THE SECOND」はツートライブがめちゃくちゃウケるっていうすごくいい大会だと思いますけど、お茶の間の反応とは違う気もして。だから難しいところではありますよね。お笑いファンが好きなお笑いがいいのか、お茶の間にウケるお笑いがいいのか。ななまがりとかもめんたるは、お笑いファンがたくさん観に来ている準決勝ではとんでもなくウケていたから、僕は準決勝でウケていた人たちがもうちょっと評価されてほしかったなとは思いました。でも新しい大会で、審査員経験のない人もいたし、審査はきっとみなさんすごく悩まれたでしょうね。そんな中でもジュニアさんが自分の感覚で審査している感じを見られたのはよかったです。「座王」(カンテレ)をやっているのもあって、ほぼ全組のよさをわかってくれているのもいいなって思いました。

──MCはかまいたちが務めました。

飯塚 めちゃくちゃよかったです。MCってやっぱり、腐したくなっちゃうと思うんですよ。「優勝する気ないやろ!(笑)」みたいな、ちょっとイジりが入っているコメントをしたり。でも特に濱家さんはそれをやらずに、「本当にみんな面白くてすごい」というポジティブな、陽のMCとして存在していて。あとめちゃくちゃ笑ってくれる。きっと大MCになる道を歩んでいくんだなと思いましたね。カッコよかったです。

井口 山内さんが審査員でもいいですよね。「キングオブコント」(MCを浜田、審査員を松本が務めていたダウンタウンの)パターンで。

■ note推し芸人ランキング
──賞レースの話はひと通り終わったので、何かお二人から6・7月で印象的だった話題があれば。

井口 ネイチャーバーガーが解散して、noteでごちゃごちゃ言って同情を誘ってましたけど、なんだそれ?っていうのはありました。どんな事情があるのかわかりませんけど、もうしょうがないじゃないですか。そういう世界なんだから、もう自分でがんばるしかないし。それに、お笑いファンが優しすぎるって思いますね。「あの芸人さんテレビに出てほしいな」とか言うけど、野球だったらファンが打率1割の奴をスタメンで使えなんて言わないし、なんにも結果出してない奴をサッカー日本代表に選べとは言わないのに、お笑いだけなんかぬるいんですよ。才能のない奴はやめてくしかないんだから。あと同情されてどうするんだっていうのもあるし。ごちゃごちゃ言わないでがんばれよ!

飯塚 noteつながりの話だと、noteの推し芸人ランキングが発表されてて、ウエストランドが17位に選ばれてた。

──noteに投稿された“推し活”の記録から算出しているそうです。

飯塚 1位が令和ロマンで。

井口 トム・ブラウンが3位じゃなかったでした? それでちょっとうれしさが減りましたけど(笑)。

飯塚 ここにランクインしているってことは、何か言いたくなる、応援してることを書きたくなる芸人なんだろうね。

井口 そうだ、思い出したわ。

──なんですか?

井口 「耳の穴」で、「化けた芸人」のテーマのときに「芸風を貫いて売れた人もいる」という話の流れで「トム・ブラウンもずっとあの感じで来ましたからね」って言ったら、トム・ブラウンのファンが「でもちょっとずつアジャストさせてるってことも言ってほしかった」とか言ってきて。いちいち言わないだろ、そんなもん! 「貫いてよかった」の話で言ってるんだから。「まあね、今はちゃんとアジャストしてますけど」なんか言わないから、いちいち! なんで褒めてることにすらごちゃごちゃ言ってくるんだよ。変なファンが付いてるのかもしれない。よくないなあ、トム・ブラウンも!

飯塚 教育が足りない?(※)

※編集部注:ウエストランドのファンは井口の教育が行き届いている。

井口 足りてないですね。布川さんも怒ってました。「(ファンに)言ってやろうかな」って(笑)。ファンが増えて、ちょっと変になってきてるのかもな。

飯塚 でもウエストランドを応援してくれている4、50代の女性ファンもnote書いてくれているんじゃない?

井口 noteだったら1位目指せるかもしれないですね。僕のファンはXやってないんで。noteなら書くでしょ。

■ 井口はマセキのエース
井口 あとは、とにかくマセキ(芸能社)の人たちに会いました。この前はきしたかの高野とモグライダーともしげさんと一緒になって、次の日はルシファー吉岡さんとジグザグジギー池田さんとの「オトステ」があって、そのあと三四郎・小宮さんとロケに行って、別の仕事で出川哲朗さんに会って、そこから「笑フェス」が2日間あり、そのあとバカリズムさんに会ったんですよ。で、「ナイツのちゃきちゃき大放送」(TBSラジオ)で夏休み中のナイツさんの代打を僕らがやるっていう。マセキすぎるだろ、いくらなんでも! マセキのエースみたいになってます(笑)。

飯塚 もう合体したらいいんじゃない? よしもとに対抗するために。

井口 本当にそうしなきゃやっていけないですよ。

飯塚 ASH&Dとマセキとタイタンで合体して。

井口 それで言うと、「笑フェス」問題。初日はいろんな芸人がネタして、2日目は各事務所の出張ライブみたいなテーマになっているんですけど、事務所の足並みが全然揃ってなくて。ASH&Dとタイタンはそもそも人数が少ないから全員で行くしかないから、ラブレターズもいて僕らも出ているけど、よしもとなんて神保町(の若手劇場・よしもと漫才劇場)のわけわかんないメンバーが来てて。ナメられすぎだろ、マセキも! チャンピオン出せよ、こっちも出してんだから。

■ しずる、面白い
飯塚 「永野&くるまのひっかかりニーチェ」(テレビ朝日)にしずる池田さんが出た回と、ニューヨークチャンネルにしずるの2人が出た回が近いときに放送、公開されているんですけど、「しずる、面白くないですか?」っていう話を。

──この連載でも何度か「しずるが面白い」という話は出ていますよね。

飯塚 「キングオブコント」でも僕はしずるがめちゃくちゃ面白いと思うんだけど、過去に何度も決勝に行っているから、観る人も若干ハードルが高くなっている気がして。「レッドカーペット」(フジテレビ)に出ていた芸人で今もずっと単独をやって、「キングオブコント」に挑戦している人って、もうしずるくらいしかいない。それってすごいことだと思うんですよね。当時一緒に「レッドカーペット」に出ていたはんにゃ.やフルーツポンチは近年独特な活動をしていますし。

井口 僕らが「M-1」に出たときですら、「レッドカーペット」とか「オンバト」(NHK)に出ていた人なんか僕ら以外誰もいなかったですからね。その時代の人っていなくなってますよ。少なくともネタをやって賞レースに挑戦し続けてる人なんて数えるくらいしか。

飯塚 芸人に愛されていますよね。2人ともネタ作って、それぞれ交代で単独ライブをプロデュースしているのも珍しいスタイル。一緒に作ってる人はいますけど、それぞれがネタを書いて相方にやらせてるっていう。もう1回、しずるが評価されるタイミングはいつか来るんじゃないかと思ってます。「千鳥のクセスゴ!」(フジテレビ)のときも「しずる面白い」と盛り上がっていたし。

──きっかけがあれば、なんでしょうか。

飯塚 きっかけが難しいですよね。たぶん全員面白いと思っているし、ある程度「面白い」という認識はされていると思うんですけど。「キングオブコント」みたいなデカいきっかけが必要なのかもしれないですね。

井口 それこそ、「レッドカーペット」の復活版がありますけど、その裏でNHKの特番(「超・ニッポンのお笑い100年~芸人たちの放送開拓史~」)があって。

──井口さんはNHKに出演されているんですよね。

飯塚 ウエストランドこそ「レッドカーペット」に出てほしかったけど。

井口 最初に出させてもらった民放の番組ですしね。レッドカーペット賞も2回獲ってますし。まさかの裏で(笑)。でもNHKのほうもすごかったので観てほしいですけど。めちゃくちゃ豪華なメンバーの中に僕も入れてもらってありがたいです。お笑いの歴史をいろいろ見て、最後に爆笑問題が放送100年にまつわる漫才を15分くらいやってたのにはみんな引いてましたね(笑)。フットボールアワー後藤さんもジュニアさんも小籔(千豊)さんも。すごいことするなって。

飯塚 爆笑問題、まだまだブレイクしますね。

井口 書籍の太田さんとの鼎談で飯塚さんが言ってましたね(笑)。太田さんがここからまたブレイクするって。

飯塚 選挙特番とかもすごかったですし。

井口 そこまでできる人いないですからね。記憶力もすごいから、今回大特番でやりましたけど、昔のことをレジェンドに聞く番組とかメディアがあったらいいなと思います。本当にそのときを生きた人しかわからない空気感もあると思うので。

■ 恋愛が大人気
井口 バイきんぐ小峠さんの結婚の記事になぜか僕の名前が書かれてましたよ。「なお、独身はウエストランド井口とさらば青春の光・森田」って。

──でも森田さんと井口さんの“独身”って種類が違う感じがしますね。

井口 なんなんだろうって僕も思って考えたんですけど、過去の恋愛の話とかをしてないからなんでしょうね。みんな「元カノが~……」みたいな話するじゃないですか。かわいそうだろ、昔付き合ってた人のこと悪く言ったりするの。もうとにかく恋愛が人気で、うんざりしてます。と思っていたら「セフレと恋人の境界線」みたいな番組が始まって。さすがに下品すぎないか!? 大丈夫なんですかね?

井口 「モテテク」とかも、“テク”でいいの?っていう。

飯塚 でも、1日に考えてることの大半を占めてるのが恋愛っていう人いますよね。

──います?

井口 みんなとにかく恋愛が好きなんですよ、本当に。で、エロい感じの番組ばっかり再生回数が回って。だからバラエティのサムネもエロく見えるような画像が増えて。終わりです、もう。

──書籍の取材で言っていましたね。井口さんは性を感じさせない、という話。

井口 その中では相当がんばってるほうですよ。

飯塚 でもその結果、FRUITS ZIPPERの番組とかに呼ばれてる。性を感じさせる人は呼べないから。

井口 確かに(笑)。今度番組(テレビ朝日「FRUITS ZIPPERのNEW KAWAIIってしてよ?」)のイベントも出させてもらいます。

──そのイベントの告知、いまだに出演者が追加されませんね。

井口 出演者が「FRUITS ZIPPER、井口浩之(ウエストランド)ほか」ってどんなイベントだよ!(笑)

編集部注:取材後に追加出演者が発表されました。詳しくは「FRUITS ZIPPERのNEW KAWAIIってしてよ?」のオフィシャルXアカウントで確認を。

■ プロフィール
□ 井口浩之(イグチヒロユキ)
1983年5月6日生まれ、岡山県出身。2008年、河本太(コウモトフトシ)とウエストランドを結成。2013年4月に「笑っていいとも!」(フジテレビ)のレギュラーに抜擢され、最終回まで不定期で出演した。2012年から2014年に「THE MANZAI」認定漫才師。「M-1グランプリ」では2020年に初の決勝進出を果たし、2022年に優勝! ラジオ形式の番組「ウエストランドのぶちラジ!」をYouTubeなどで配信中。とろサーモン久保田とのレギュラー番組「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)は毎週月曜25:58~。タイタン所属。

□ 飯塚大悟(イイヅカダイゴ)
1982年4月13日生まれ、新潟県出身。テレビ、ラジオの構成作家。現在の担当番組は「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日)、「水曜日のダウンタウン」「クレイジージャーニー」(TBS)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)など。書籍「深解釈 オールナイトニッポン~10人の放送作家から読み解くラジオの今~」(扶桑社)。大井洋一と出演するポッドキャスト「褒めたいラジオ」(Artistspoken)毎週水曜23:00~配信中。

ちょっと不安があるんだよね。

口コミで見る限りでは、
良い評判もあるし
さっそく試したいけど・・・どうなんだろうね?

わたしが気になっているのはコレ・・・

実践者の口コミや評判って
何か安心感があって、
基本的に効果については肯定する声が多かったです。

あまり良い口コミばかりだと
胡散臭いけど・・・やってみようかな